猫の去勢のメリットは?去勢の手順と術後の変化についてご紹介!
オスの猫を家族として迎え入れたら、去勢手術に関する話を必ずどこかで聞くことがありますよね。けれども去勢手術をするメリットや手術の前後で気をつけることが何かわからないままでは検討することもできないと悩むはず。今回はオス猫の去勢手術にまつわるあれこれを解説します。
最終更新日2020.05.06
猫の去勢のメリット・デメリット
猫の去勢手術の時期を考え始める月齢になれば、去勢の手術をした方が良いのかどうか、そのメリットやデメリットを知っておきたくなりますよね。
猫の去勢のメリットを知れば、手術をするべきかどうかも判断しやすくなります。
また、メリットがあればもちろんデメリットもあるため、2つを比べて検討してみる必要があります。
まずはオス猫の去勢手術に関わるメリット・デメリットについて具体的にお話しましょう!
メリット
性衝動によるストレスがなくなる
野生のオス猫は、子孫を残すという本能から、他のオスと争ってメスを手に入れようとします。
しかし、自由に交尾や発情に関わる交流をすることがない飼い猫にとっては、性的なストレスを抱えることは大きな欲求不満の原因に。
「健康なのに手術をするのはかわいそう」
と言う飼い主さんもいますが、発散できない性的欲求は室内猫にとって想像できないストレスなのです!
去勢手術をしていない性的ストレスを抱えた飼い猫は、家からの脱走癖や、メス猫を獲得するための攻撃衝動を抑えられないというパターンも少なくありません。
また、外でケンカすると単純にケガをするだけでなく、猫エイズや猫白血病などの感染リスクもあります。
去勢手術でオスとしての性的能力をなくすことで、メスの発情フェロモンを追いかけたい!というストレスをなくすことができます。
縄張り意識によるマーキングの抑止
オス猫たちは、「ここは自分の場所だ!」という主張を周りに示すために、マーキング行動を頻繁に行います。
特に去勢手術をしていない猫で飼い主さんが困るのは、いわゆる「スプレー尿」と呼ばれるマーキング行動です。
その理由は何と言っても、スプレー尿の臭いがキツイこと!
衣服についてしまえば処分するしかなくなるくらいの臭いでもあります。
マーキング行動を始める前に去勢手術を行うことで、その行為をほぼ抑制することができます。
すでにスプレー尿をすることが当たり前になっている子の中には、手術後でもまれに行うこともあるため注意が必要です。
望まない妊娠を避ける
平成29年度の猫の殺処分数は、環境省の発表によると約3万5000頭にものぼっています。
そのうち、まだ子猫のまま処分されてしまった頭数は約2万頭。
全体の過半数を超えているのが日本の悲しい現状です。
環境省統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」
毎年さまざまな取り組みによって殺処分数を減らしてきているとは言っても、去勢手術を行っていないばかりに数が増えてしまったという例も少なくありません。
去勢手術を行えば、少なくとも交尾によりメスを妊娠させることは100%ありません。
室内飼育の飼い猫だったとしても、もしかしたら脱走するかも、同居猫と交配してしまうかもというリスクは考えておきましょう。
性ホルモンに関わる病気を抑制
発生自体は稀ですが、去勢手術で精巣をとることによって、精巣腫瘍などの精巣の病気は100%予防することができます。
また、オスの性ホルモンに関わる前立腺の病気も減ることになります。
シニア期になるとさまざまな病気が発生しやすくなるため、あらかじめ起きるかもしれない病気を予防しておくというのも1つの考え方です。
デメリット
麻酔をかける必要がある
手術をする時に必ず必要になるのが「麻酔」です。
去勢手術の場合ほとんどお腹を開ける手術ではないとはいえ、猫たちにとって痛いことに変わりはありません!
麻酔をかけずにメスを入れると思えば…、「絶対痛い!」と思わず震えませんか?
その痛みを感じさせずに手術するには、全身麻酔は必ず必要です。
全身麻酔によるリスクに関しては、100%安全とは言えません。
そのため、あらかじめ手術を受ける猫がどんなリスクを持っているのかを確認しておくことが大切です。