猫に帰巣本能はあるのか?猫は脱走して帰ってくるのか?
猫には帰巣本能があるという話を聞いたことがありますか? よく、犬は人に付き、猫は家に付くなどとも言われます。猫が何百キロも離れた場所から、何日もかけて帰って来たと、聞かれたことがあるかもしれません。猫に帰巣本能はあるのでしょうか?
最終更新日2020.05.06
飼っている猫が脱走して、数日間帰って来なかった。と言う経験をお持ちの方はいらっしゃいますか?
その後、帰ってくる猫、帰って来なかった猫、どちらもいると思います。帰ってくる猫、来ない猫何が違うのでしょうか?猫にも帰巣本能があるのでしょうか?
帰巣本能とは?
帰巣本能とは動物が学習や経験によらず、生まれた時から持っている、自分の住みかから離れても、再びその場所へ帰ることができる能力のことを言います。
猫の帰巣本能とは?
外飼いの猫が数日見なかったけど、帰ってきたり、家の中で飼っている猫が、少し目を離した隙に脱走してしまったけど、数日で戻ってくる、といった話は時々聞きます。
外飼いの猫なら、自分のテリトリーを数時間かけて見回ったり、発情したメスのにおいを探しに行ったり、テリトリーに入ってきたオスを追い出すのに遠くへ行ってしまったりということがあります。
家の中で飼っている猫も窓の外にいる小鳥や虫などを追って、脱走して戻ってくることのできる猫、できない猫がいます。
帰巣本能は太陽コンパス、磁気コンパスが備わっていることで巣に帰ることができる能力です。
猫の帰巣本能には個体差があり、全ての猫が帰巣本能を発揮できるわけではないようです。人にも方向音痴で道に迷いやすいタイプの人がいるように猫にも個体差があります。
ただ、この帰巣本能が優れていても、
①家の周りに怖い野良猫がいる
➁大きな音のする工事などがあり帰れない
③逃げ出したドアや窓が閉まっていて入れない
などの理由で戻ってくることができない場合があります。
帰巣本能のある動物はいるの?
鳥類
手紙を足環に付けたり、小さな荷物を運ばせたりする伝書鳩はよく知られています。鳩の飛翔能力を利用し、帰巣本能を使って確実に目的地に到達します。時には1000㎞以上離れた場所から放す場合もあります。
1960年代頃までは通信用、軍事用、報道用、医療用、畜産用などの運搬手段として利用されていましたが、最近は交通や通信手段の発達のよって、伝書鳩は利用されなくなりました。
最近は主にレース鳩という、確実に目的地に到達できるかを競うスポーツとして愛好家が品種改良や訓練をしています。
また、渡り鳥も繁殖する地域へ毎年決まった季節に何千キロもの距離を移動します。
マガモ、オオハクチョウ、マナヅル、ツグミ、オオワシなどは毎年冬になると日本に渡って来て越冬します。ツバメ、ハチクマ、アマサギ、サシバ、クロツグミなどは夏の間を日本で過ごします。
漂鳥のウグイス、ヒヨドリ、ホオジロなどは暑さ寒さの厳しい季節を避けるため、日本国内を季節移動して冬は平地、夏は山間部と住み分けています。
回遊魚
鮭やマス、ウナギ等は必ず海洋から生まれた川に帰って産卵します。回帰本能と言います。
昆虫
ハチやアリにも帰巣性があり、ハチは種類によって山林の土の中に巣を作ったり、最近は都市部に巣を作るハチもいます。ハチは家の軒下などに作った巣を駆除しても、巣を修復しようと同じ場所に戻ってきます。ミツバチは帰巣本能を利用して、巣箱に蜜を集めて人の役にたっています。
アリは餌を探して隊を作って移動します。
なぜ、帰ってくることができるの?
遠距離を移動する動物には、太陽コンパス、磁場を生かした磁気コンパス、体内時計、によって方位を知り、
近距離を移動する動物には視覚や道しるべのフェロモン、体内時計などから鮭、マスは自分の生まれた川の匂いを覚えているから、などと言われています。