野良猫の寿命と地域猫についてご紹介!
野良猫の寿命は短いと言われています。ところが、地域猫になると野良猫よりも寿命は長い傾向にあります。野良猫と地域猫は何が違うのか、なぜ寿命に差が出るのか、その実際を知ればなるほどと納得できるはずです。今回は、野良猫と地域猫についてお話します。
最終更新日2020.05.06
体をケガしたり、病気にかかって動けない日があると、飼い猫のようにごはんを運んできてくれる飼い主さんがいないため、回復までの道のりが厳しいものになります。
普段から気温変化による環境ストレスや、警戒意識を常に持つ心理的ストレスにさらされ、野良猫の免疫力が飼い猫より低いのも体調の回復を妨げます。
野良猫の寿命が伸びている?
こういった野良猫の寿命が縮む原因を知っても、「でも、3~4歳以上の老猫を野良猫でも見かけるよ?」と不思議に思う人もいるかもしれません。
上記の記事でも、野良猫の寿命は3~5年とありますが、それは一体なぜでしょうか?
実は、野良猫の寿命が伸びていると感じる要因には、「地域猫活動の増加」があげられます。
地域猫について紹介
地域猫とは耳慣れない言葉だと感じる人もいるかもしれません。
そこで、地域猫とは何かを、猫好きさんもどうでない人もぜひ知っておきましょう。
地域猫とは?
地域猫とは、猫を室内で飼うわけではありません。
地域の住民の認知と管理の下で共生する野良猫のことを、地域猫と言います。
そして、地域猫活動によって、
- 猫の糞害
- 無尽蔵な不幸な子猫の繁殖
そのため、地域猫活動は「ただのエサやり」とは一線を画す活動です。
どのような活動をしているのか
地域猫活動の大きな根幹を占めるのは、TNR活動です。
- T(Trap):捕獲
- N(Neuter):不妊(去勢・避妊)手術
- R(Return):元いた場所に戻す
年に2回はやってくる発情期のたびに子猫が増えると、野良猫の数は一向に減りません。
そのため、TNR活動をボランティア団体を中心に行い、時には各地域の獣医師会も協力しているのです。
不妊手術を行った猫は、その証として特徴的なV字の耳カットを施されます。
遠くから見ても手術済みだとわかるようにするわけですね。
「耳を切るなんてかわいそう…」
と思われる方がいるかもしれませんが、手術済みかどうかを確かめるために、人慣れしていない野良猫を何度も捕まえる方が猫にとっては大きなストレスです。
また、耳のカットは不妊手術の麻酔中に行い、目が覚める頃には出血もありません。
このように、善意のボランティア団体が猫たちの幸せを願って行う活動を、地域猫活動と言います。
環境省 飼い主のいない猫対策:地域猫活動
地域猫の寿命が伸びる理由
不妊手術を施された地域猫は、
- 発情や妊娠にまつわるストレスがなくなり、ケンカをすることが減る
- 地域住民の見守りよって時には保護・治療を受ける
見守りの人に1頭1頭認識されることで、多くの地域住民の手でかわいがられることにつながります。