野良猫の寿命と地域猫についてご紹介!

野良猫の寿命と地域猫についてご紹介!

野良猫の寿命は短いと言われています。ところが、地域猫になると野良猫よりも寿命は長い傾向にあります。野良猫と地域猫は何が違うのか、なぜ寿命に差が出るのか、その実際を知ればなるほどと納得できるはずです。今回は、野良猫と地域猫についてお話します。

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ライター

orion

動物病院で看護師として7年半勤務し、現在は動物の訪問介護・ペットシッター・飼い主さん向けセミナー講師を行っています。甘えん坊な猫1匹と同居中。

記事の目次

  1. 1.野良猫の寿命
  2. 2.野良猫の寿命が短い理由
  3. 3.野良猫の寿命が伸びている?
  4. 4.地域猫について紹介

野良猫の寿命

路上で寝る野良猫

完全室内飼育の飼い猫の寿命が平均15.97歳なのに対して、野良猫の平均寿命は3~4歳と言われています。
なぜ外にいる猫の方が寿命が短いのか、考えたことがあるでしょうか?

飼い猫の間でも、外に出ることがある飼い猫の平均寿命は13.63歳と、やはり外へ行く猫の方が平均寿命が短いという結果が出ています。

一般社団法人 ペットフード協会 平成30年 全国犬猫飼育実態調査

子猫の成長に関しても、室内猫が産んでお家の中で育てられる場合と、野良猫が産んで外で育てる場合では、成猫まで成長できる確率は大きく異なります。

まずはなぜ野良猫の寿命が短くなるのか、その理由をぜひ知ってみてください。

野良猫の寿命が短い理由

それでは野良猫の寿命が短い理由をご紹介していきます。

飢餓

フード

毎日決まった時間にごはんや新鮮なお水がもらえる室内猫に比べ、野良猫は安定的に食事や飲み水の確保をすることは困難です。

特に高齢になったり病気にかかるほど、体の不具合から行動範囲がどんどん減ってしまいます。

ごはんや水の確保ができずに痩せて脱水することで、さらに体力がなくなっていくという悪循環に見舞われるのが野良猫の食料問題です。

野良猫同士のケンカ

猫同士のケンカ

猫は1頭ずつの縄張り意識が強い動物です。

いわゆる「よそ者」が侵入してきた時には、自分の居場所を守るために闘わなければいけません。
また、自分の子孫を残そうと、繁殖期のメスをめぐってオス猫同士が争い合うこともあります。

ケンカによるケガで化膿することはもちろん、猫白血病や猫エイズなど、ウイルス感染のリスクも抱えてしまうことになります。

外敵からの攻撃

フリー写真素材ぱくたそ

子猫が亡くなる原因で多いのが、外敵による攻撃です。

特にカラスなどの鳥による被害はもちろん、繁殖期のオス猫などに攻撃されて亡くなる危険もあります。

メス猫は子どもがいる限り発情期になりません。
オス猫は、別のオス猫の子どもを殺してメス猫に発情を促し、自分の子孫を増やすという本能的行動を示してしまうのです。

交通事故

道路を歩く猫

道端で亡くなっている猫を見かけたことがある人もいるでしょう。

猫が交通事故に遭うことが多い理由として、猫の習性や体の仕組みがあげられます。

活動時間帯が夕暮れから夜にかけて増える猫の目は、夜でも光を多く取り込むことができます。
しかし、その目の状態でヘッドライトの光を浴びると、強い光量によって目がくらんでしまい動くことができなくなってしまうのです。

そして、猫は恐怖を感じた瞬間に、固まって動けなくなる習性があります。
これらの理由で頭から車に衝突する猫が多く、死亡率が高まってしまうのが現状です。

気温の変化によるストレス

外にはエアコンがなく、暑さ・寒さによる体への負担は大きいものです。

夏は熱中症・冬は低体温症にさらされ、体の体力は毎年大きく奪われています。
室温調整が施された快適な部屋を持たない野良猫たちは、暑い夏・寒い冬に多くが亡くなってしまいます。

体調不良からの回復場所がない

威嚇する猫

体をケガしたり、病気にかかって動けない日があると、飼い猫のようにごはんを運んできてくれる飼い主さんがいないため、回復までの道のりが厳しいものになります。

普段から気温変化による環境ストレスや、警戒意識を常に持つ心理的ストレスにさらされ、野良猫の免疫力が飼い猫より低いのも体調の回復を妨げます。

野良猫の寿命が伸びている?

路上の野良猫

こういった野良猫の寿命が縮む原因を知っても、「でも、3~4歳以上の老猫を野良猫でも見かけるよ?」と不思議に思う人もいるかもしれません。
 

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上記の記事でも、野良猫の寿命は3~5年とありますが、それは一体なぜでしょうか?
実は、野良猫の寿命が伸びていると感じる要因には、「地域猫活動の増加」があげられます。

地域猫について紹介

地域猫とは耳慣れない言葉だと感じる人もいるかもしれません。
そこで、地域猫とは何かを、猫好きさんもどうでない人もぜひ知っておきましょう。

地域猫とは?

なでられる野良猫

地域猫とは、猫を室内で飼うわけではありません。

地域の住民の認知と管理の下で共生する野良猫のことを、地域猫と言います。
そして、地域猫活動によって、

  • 猫の糞害
  • 無尽蔵な不幸な子猫の繁殖
などの問題を減らし、将来的に飼い主のいない野良猫を減らすことを目指しています。
そのため、地域猫活動は「ただのエサやり」とは一線を画す活動です。

どのような活動をしているのか

子猫と成猫

地域猫活動の大きな根幹を占めるのは、TNR活動です。

  • T(Trap):捕獲
  • N(Neuter):不妊(去勢・避妊)手術
  • R(Return):元いた場所に戻す
交尾排卵動物である猫は、発情期の交尾によってほぼ100%妊娠します。
年に2回はやってくる発情期のたびに子猫が増えると、野良猫の数は一向に減りません。

そのため、TNR活動をボランティア団体を中心に行い、時には各地域の獣医師会も協力しているのです。

不妊手術を行った猫は、その証として特徴的なV字の耳カットを施されます。
遠くから見ても手術済みだとわかるようにするわけですね。

耳カットされた野良猫

「耳を切るなんてかわいそう…」
と思われる方がいるかもしれませんが、手術済みかどうかを確かめるために、人慣れしていない野良猫を何度も捕まえる方が猫にとっては大きなストレスです。
また、耳のカットは不妊手術の麻酔中に行い、目が覚める頃には出血もありません。

このように、善意のボランティア団体が猫たちの幸せを願って行う活動を、地域猫活動と言います。

環境省 飼い主のいない猫対策:地域猫活動

地域猫の寿命が伸びる理由

不妊手術を施された地域猫は、

  • 発情や妊娠にまつわるストレスがなくなり、ケンカをすることが減る
  • 地域住民の見守りよって時には保護・治療を受ける
などから、通常の野良猫よりも寿命が伸びる傾向にあります。

見守りの人に1頭1頭認識されることで、多くの地域住民の手でかわいがられることにつながります。

地域猫活動中の団体を紹介

集まる猫

参考として、地域猫活動をしているボランティア団体をご紹介します。
もしかしたら、皆さんの地域にも、同じような活動をしている団体があるかもしれませんよ。

むさしの地域猫の会(東京)
NPO法人 地域猫管理協会(大阪)

活動地域の自治体によって、登録申請をすることで活動しやすくなる場合もあります。
これから地域猫活動に携わる人は、ぜひ調べてみてくださいね。

神戸市 地域猫活動について(兵庫県)

幸せそうな猫が増える手助けに

なでられる野良猫

猫たちを最も安全な場所で暮らしてもらうなら、室内で飼うことが1番です。
ですが、すべての野良猫を室内に迎え入れるには、まだまだお家も飼い主さんも足りません。

そのため、地域猫活動によって1頭でも殺処分される野良猫を減らすことが、大きな目的であり、TNR活動がもたらす効果でもあります。

もしも自分にも何かできると感じたら、近くのボランティア団体を訪ねてみるのもいいかもしれませんよ。

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