野良猫の寿命と地域猫についてご紹介!
野良猫の寿命は短いと言われています。ところが、地域猫になると野良猫よりも寿命は長い傾向にあります。野良猫と地域猫は何が違うのか、なぜ寿命に差が出るのか、その実際を知ればなるほどと納得できるはずです。今回は、野良猫と地域猫についてお話します。
最終更新日2020.05.06
野良猫の寿命
完全室内飼育の飼い猫の寿命が平均15.97歳なのに対して、野良猫の平均寿命は3~4歳と言われています。
なぜ外にいる猫の方が寿命が短いのか、考えたことがあるでしょうか?
飼い猫の間でも、外に出ることがある飼い猫の平均寿命は13.63歳と、やはり外へ行く猫の方が平均寿命が短いという結果が出ています。
一般社団法人 ペットフード協会 平成30年 全国犬猫飼育実態調査
子猫の成長に関しても、室内猫が産んでお家の中で育てられる場合と、野良猫が産んで外で育てる場合では、成猫まで成長できる確率は大きく異なります。
まずはなぜ野良猫の寿命が短くなるのか、その理由をぜひ知ってみてください。
野良猫の寿命が短い理由
それでは野良猫の寿命が短い理由をご紹介していきます。
飢餓
毎日決まった時間にごはんや新鮮なお水がもらえる室内猫に比べ、野良猫は安定的に食事や飲み水の確保をすることは困難です。
特に高齢になったり病気にかかるほど、体の不具合から行動範囲がどんどん減ってしまいます。
ごはんや水の確保ができずに痩せて脱水することで、さらに体力がなくなっていくという悪循環に見舞われるのが野良猫の食料問題です。
野良猫同士のケンカ
猫は1頭ずつの縄張り意識が強い動物です。
いわゆる「よそ者」が侵入してきた時には、自分の居場所を守るために闘わなければいけません。
また、自分の子孫を残そうと、繁殖期のメスをめぐってオス猫同士が争い合うこともあります。
ケンカによるケガで化膿することはもちろん、猫白血病や猫エイズなど、ウイルス感染のリスクも抱えてしまうことになります。
外敵からの攻撃
子猫が亡くなる原因で多いのが、外敵による攻撃です。
特にカラスなどの鳥による被害はもちろん、繁殖期のオス猫などに攻撃されて亡くなる危険もあります。
メス猫は子どもがいる限り発情期になりません。
オス猫は、別のオス猫の子どもを殺してメス猫に発情を促し、自分の子孫を増やすという本能的行動を示してしまうのです。
交通事故
道端で亡くなっている猫を見かけたことがある人もいるでしょう。
猫が交通事故に遭うことが多い理由として、猫の習性や体の仕組みがあげられます。
活動時間帯が夕暮れから夜にかけて増える猫の目は、夜でも光を多く取り込むことができます。
しかし、その目の状態でヘッドライトの光を浴びると、強い光量によって目がくらんでしまい動くことができなくなってしまうのです。
そして、猫は恐怖を感じた瞬間に、固まって動けなくなる習性があります。
これらの理由で頭から車に衝突する猫が多く、死亡率が高まってしまうのが現状です。
気温の変化によるストレス
外にはエアコンがなく、暑さ・寒さによる体への負担は大きいものです。
夏は熱中症・冬は低体温症にさらされ、体の体力は毎年大きく奪われています。
室温調整が施された快適な部屋を持たない野良猫たちは、暑い夏・寒い冬に多くが亡くなってしまいます。