ドブ貝・カラス貝の飼い方・飼育のポイントをご紹介!【二枚貝/餌/産卵/繁殖】
「貝」というと、アサリやホタテといった食べる貝を想像しますが、ドブ貝やカラス貝のように、観賞用に飼うことができる貝の種類もあります。今回は、ドブ貝とカラス貝の飼い方や、飼育のポイントをご紹介し、二枚貝の魅力についてお伝えします。
最終更新日2020.05.06
ドブ貝・カラス貝は飼育できる?
ドブ貝とは
ドブ貝は、淡水に棲むイシガイ科の二枚貝のことで、日本のほか、東アジア一帯に分布し、川や沼の底の泥中に生息しています。
だいたいの殻の長さは10cmほどですが、形態的変異が大きく、20cmを超えるものも見られるそうです。殻の色も、緑色から黒色までと変異が大きく、また殻は薄いため、乾燥すると自然とひびが割れてしまうことが多い貝です。霞ヶ浦などではタンカイ(淡貝)と呼ばれ、食用にされています。
カラス貝とは
カラス貝も同じように、日本の湖や沼などに住む淡水二枚貝で、イシガイ科の一種であり、日本の固有種です。貝の表面がカラスの羽のような黒色をしていることから、「カラス貝」と呼ばれるようになったといわれています。
アサリやハマグリを少し横長にしたような形で、表面には波模様が入り、成長すると、30cm程度の大きさになることもありますが、カラス貝の生息は少なく、食用としても好みがわかれる味だそうです。
ちなみに、クロダイなどの餌として使われる貝も「カラス貝」と呼ばれていますが、そのカラス貝は「ムラサキイガイ」のことを指しており、イシガイ科ではなく、イガイ科の一種になるので、本記事のカラス貝とはまったくの別物です。
ドブ貝とカラス貝は飼える?
ドブ貝もカラス貝も飼うことはできます。
しかし「飼う」というよりも、とある目的のために飼育をしている、といった方が良いかもしれません。その目的というのは、同じ淡水に生きる淡水魚の一種・タナゴの繁殖や産卵です。
タナゴは、日本産淡水魚の中でも人気の観賞魚で、熱帯魚とはまた違った鑑賞の仕方が楽しめるお魚です。そのタナゴの繁殖や産卵には、二枚貝が必須だと言われています。なぜなら、タナゴは産卵のとき、必ず「二枚貝の中に卵を産む」という特性を持っているからです。
そのため、二枚貝も同じ水槽の中で、タナゴのために飼育する、という状況になります。
ドブ貝・カラス貝の飼い方・飼育のポイント
ドブ貝やカラス貝といった二枚貝ですが、実はその飼育環境や繁殖方法についてはあまりわかっていません。
しかし1ついえることは、二枚貝はキレイな環境を好み、水質にもこだわりがる、ということです。長期飼育も結構難しいといわれており、タナゴの産卵目的で飼育している場合は、寿命が来るたびに入れ替えをする傾向にあるようです。
でも、いくら二枚貝だからといって、タナゴのためとはいっても、できれば長生きしてほしいですよね。ずっと飼っていれば情もわくでしょうし、できることなら長期飼育したいですよね。
以下で、長期飼育のポイントや、そもそもの飼い方についてご紹介します。
良質で適切な底砂を設置する
いつも身体の半分のみを地上に出し、もう半分を地中に潜り込ませている二枚貝には、潜るための底砂が必須です。しかし、潜れれば何でもいいというわけではなく、二枚貝がしっかり潜れるような、砂目が細かいものを選びます。例えば、田砂やセラミックサンド、ソイルなどです。
田砂とは、田んぼの粘土質な泥部分を取り除き、砂粒だけを分離精製した硬質な天然砂のことです。セラミックサンドは、土を焼き固めて作られていて、強度はかなり強く、半永久的に使用することができます。そしてソイルとは、栄養を含んだ土を焼き固めたもので、土に近い特殊な底床材です。
田砂やソイルの中には、必要なバクテリアと栄養分が含まれているため、二枚貝の餌であるプランクトンが沸きやすい環境となっています。中には、すでに生きたバクテリア入りの砂も販売されていますので、まずは色々と試してみても良いかもしれません。
なお、底砂の量は、二枚貝の全身が埋まるぐらい(約7cm程度)が適切です。
コイ目・コイ科・タナゴ亜科・タナゴ属のタナゴ