カエルの餌で虫以外の食べ物は何を与えたらいいの？

カエルの仲間は例外なくすべて肉食性で、食べ物として生きた虫などの生き物を食べて暮らしています。

また、ほとんどの種が視力に頼って餌をとっていて、獲物の動きに反応して襲い掛かって食べます。大型のカエルの場合、虫以外にもトカゲや小型のヘビ、ネズミまで食べてしまうものもいます。

飼育しているカエルに与える餌としては、次のようなものが代表的です。

カエルに限らず、肉食性の両生類・爬虫類の餌としてもっとも一般的です。

ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が販売されていて、大きさや動きが少し違います。幼虫から成虫まで各サイズが市販されていて、カエルのサイズに合わせて使用します。飼い方も難しくなく、プラケースに卵パックなどの隠れ家を入れ、野菜くずなどを与えておけばキープできます。

水生種を除くすべてのカエルの餌として使えます。水生種でも水面にコオロギを落としてやれば食べますが、あまり一般的ではありません。

こちらも、古くから餌として使われる虫です。チャイロゴミムシダマシという小さな昆虫の幼虫で、足の生えた硬いイモムシのような見た目です。元々は小鳥の餌として使われていました。
コオロギに比べると栄養バランスが悪く、ミルワームだけではカエルは健康に育ちません。また、あごの力が強く、カエルが咬まれてけがをすることがあります。コオロギ同様、どのカエルにも使える餌ですが、あまりおススメしません。

餌に使う場合、専用フードを与えるなど栄養価が高まる飼い方をして、しばらく飼育してから与えるといいでしょう。

近年、デュビアやレッドローチなどの餌用ゴキブリが販売されるようになりました。コオロギよりも単価が高いものの、鳴かないため静かで、臭いも控えめ、共食いで勝手に死んで減ってしまうこともありません。

飼い方も簡単で、コオロギ以上に何でも食べます。上手に飼えば自家繁殖させることもでき、餌代の節約もできます。すぐに土に潜って隠れてしまうため、餌皿に入れて与えます。コオロギを食べるカエルであればどのカエルにも与えられますが、コオロギほど活発ではないので、稀に反応しない個体もいます。

ヤドクガエルなどの小型のカエル、上陸直後のヒキガエルなど小型の幼体にはコオロギは大きすぎるため、ショウジョウバエを使います。専門店に行くと養殖キットが売られていて、キットを使った飼い方も販売店で教えてもらえます。そのため、ある程度は自家繁殖で賄うことができます。

普通のショウジョウバエのほかに、フライトレスという羽根があるけれど飛べない品種、ウィングレスという羽根がない品種が売られています。バナナなどの果物で誘引すれば捕まえて与えることもできます。

ピパ、アフリカツメガエル、ドワーフツメガエルなど水生の種には、生きた金魚やメダカを与えます。と言っても、水生種は人工飼料に反応することが多いので、生きた金魚やメダカでないと食べない、ということはほとんどありません。カエルよりも動きが速いので、尾を切るなどして少し弱らせてから与えます。

また、ベルツノガエル、クランウェルツノガエルの、上陸直後の幼体（100円玉サイズ）の初期飼料として、メダカや小さめの金魚は非常に優れています。ツノガエルに与える場合、ピンセットでつまんで与えます。

ほとんどのカエルは生きた虫にしか反応しません。生きた虫などの動きを見て「食べ物」と判断するので、人工フードなど動かないものは食べ物として認識されないのです。

例外的に生きた虫以外の餌でも食べてくれるカエルとして、ピパ、アフリカツメガエル、ドワーフツメガエルなどの完全水生種が挙げられます。それ以外では、樹上性種のイエアメガエル、地表性種のベルツノガエル、クランウェルツノガエルが、生きた虫以外でも飼育可能です。

特に、ツノガエルの仲間は動くなら何にでも反応するので、人工飼料が使いやすいカエルです。ただ、何でも食べるからと、深く考えずに何でも食べさせると、カエルの健康を害することもあります。

これらのカエルに使える生きた虫以外の餌としては次のようなものがあります。

このフードの登場により、ツノガエルの飼育はとても容易になりました。水で練って使うタイプや、ふやかして使うタイプがありますが、好みで選べます。カエル専用というだけあって栄養バランスがよく、これだけ与えていればカエルは健康に育ちます。水中でばらけてしまうため、水生種には使えません。