「どら猫」の意味とは?野良猫との違いをご紹介!

「このどら猫!」というフレーズ、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?あまり良いニュアンスでないのはわかりますが、そもそも「どら猫」とはどんな意味があるのでしょうか?野良猫との違いは?今回はどら猫の意味や野良猫との違いについてご紹介します。
最終更新日2020.05.06
ドラマや漫画なんかで、よく「このどら猫めっ!」みたいなセリフを目にします。あの国民的アニメ「サザエさん」の歌でも、「お魚くわえたドラ猫追っかけて」という歌詞があり、誰しもが口ずさめる馴染みのあるフレーズです。
しかし、この「どら猫」って、どんな意味があるのでしょう?何気なく口にしていますが、本当の意味を知ってて使っている人はいるのでしょうか?以下でその意味について詳しくご説明します。
「どら猫」とはどういう意味?
「このどら猫!」というフレーズから、けして良い意味でないことはわかります。実際辞書などで調べてみると、「どら猫」とは、「飼い主がおらず、よその家からものを盗む猫」という内容で掲載されています。やはり、良い意味ではないですね。
確かに、サザエさんの「お魚くわえたドラ猫追っかけて」でも、猫が魚をくわえて逃げていく様子がわかります。それをサザエさんが追いかける、という何とも目に浮かぶ光景です。ということで、どら猫とは、食べ物や商品を盗んでしまう野良猫、という意味です。
ここの漁港には、たくさんのどら猫がいますね。ただ、漁師さんもわかっててあげてるっぽいので、生粋のどら猫とは言えないかも。
語源
では、どら猫の語源はどうでしょう?
「どら猫」の「どら」は、打楽器の「銅鑼(どら)」からきているという説があります。銅鑼とは、大きく平らな鐘のことで、中国では試合開始前に打ち鳴らされたり、仏事の時に使用される鐘のことです。「どら息子」も同じ「どら」です。
銅鑼の「鐘をつく」という言葉が、「かねをつく」=「金が尽きる」となることから、お金を使い果たし、遊び呆けている子供のことを「どら息子」と呼ぶようになったようです。
あくまでもそれは人間の場合ですが、どら猫の場合は、平気で人の物を盗んでいく、ということから、人間と同じ「どら」がつけられた、という説が有力です。
実はもう1つ説があり、「道楽(どうらく)」が訛ったとされる説もあります。道楽とは、 自分の生活の中で、仕事とは別に熱中できる趣味、例えば酒や博打(ギャンブル)などの遊興にふけることです。そこから「道楽息子」が訛って「どら息子」になった、というのがこの説です。
英語でどら猫は何と言う?
どら猫の英語表記は「stray cat」です。ちなみに野良猫の英語表記にも同じ「stray cat」が使われます。しかし野良猫に関しては色々な表記があるので、詳細は下記をごらんください。
あのキャラクターの名前にも「どら」が使われている
これまでお伝えしたように、「どら猫」にはあまり良い意味がありません。「泥棒」というイメージが強いせいか、野良猫よりも印象が悪いように思えます。しかし、とあるキャラクターによって、どら猫もただの悪者ではなくなります。そのキャラクターというのがこちらです。
そう!あの国民的人気キャラクターの「ドラえもん」です。気になったのでドラえもんの名前の由来について調べてみましたが、やはりドラえもんの「どら」は「どら猫」の「どら」からきているそうです。 生前作者も「ドラ猫からの連想で「ドラ」です」と語っていたようです。
ちなみにドラえもんは、どら猫と起き上がりこぼしをヒントに作られたそうです。結果的には「ネコ型ロボット」になり、起き上がりこぼしは取り除かれ、どら猫のみが残った、とのことです。
「どら猫」と「野良猫」の違いは?
どら猫も野良猫も、基本的には「飼い主がいない」という共通点があります。しかし、どら猫には他人の物を盗む、という意味があるので、どら猫と野良猫の違いとして、「人間に対して困ったことをするか、しないか」が基準になっています。
あまり最近は「どら猫」と聞くことは少なくなりましたが、昔は今ほど住宅環境も良くなく、それこそサザエさんの歌のように、他人の家から食べ物を盗っていくことも多かったのではないでしょうか。どら猫も元は野良猫ですが、近年は野良猫に対して地域猫活動や保護活動も盛んにおこなわれているため、悪さをする野良猫が減っているため、どら猫自体も減少していると推察されます。
銅鑼