猫に世界はどう見えている?猫の色覚・視野についてご紹介!
肉食動物である猫は、狩りの名手です。素早い足と聴力、そしてしなやかな体で獲物を捕らえます。しかし、その一方で、猫はあまり視力があまりなく、色覚も人間よりも劣るといわれています。今回は、そんな猫の「目」についてお伝えします。猫の意外な色覚には驚きですよ。
最終更新日2020.05.06
前述したように、猫は動体視力には優れていて、対象物(獲物)にピントを合わせて移動する目の機能が発達しています。逆に、動きが遅い物については「止まっている」と勘違いしてしまい、苦手のようです。
暗視野
視力があまりよくない猫ですが、夜行性であるため、暗いところでの視野は優れています。それは人のおよそ6倍だといわれています。
よく、暗闇で猫の目が光っているのを見かけると思います。これは、猫の目には網膜の下に「タペタム」という反射板がついていて、このタペタムには、網膜の視神経を刺激し、入ってきた光をもう一度反射させて取り込む役目があります。そして、わずかな光量を倍にして、暗いところでも鮮明に見えるようする、という仕組みになっています。そのため、光を絞る瞳孔も大きく、この瞳孔を動かす筋肉も猫は発達しているといわれています。
猫の目Q&A
そのほか、猫の目についての疑問をまとめました。
猫の目で時間がわかる?
よく、「猫の目を見れば時間がわかる」というようなことを耳にします。なぜこのようなことがいわれているかというと、その起源はかなり昔に遡ります。
西暦860年の中国・唐時代の書物の中に「朝と夕方になると丸くなり、昼頃は縦に細くなって線のようになる」という一節があります。その説はやがて日本にもやってきて、室町時代の百科事典「塵添あい嚢鈔(じんてんあいのうしょう)」の中にも、「旦と暮べと目晴円し、午の時は細くして線の如しといえり」という記述があります。
これは、両方とも猫のことをいっています。実際、その後日本では猫の目で時間を図る「猫時計」が定着し、昭和初期の国語辞典「大言海」の中でも、「猫の瞳は朝と夜には丸で午前8時と午後4時には卵型となり、午前10時と午後12時にはうりざね型となり正午には針を横たえたようになる。暗いところでは常に丸い」と記されています。
ちなみに、中国から伝わってきた猫時計は、時刻と猫の瞳孔の大きさを表した「時間式」で、日本の猫時計は光量ではかった「光量式」となっています。現代ではあまり現実的ではありませんが、猫の目で時間をはかっていた時代もあった、ということです。
猫は暗い場所でもよく見えている?
さきほどお伝えしたように、夜行性の猫は暗闇が得意です。
しかし、光がまったくない、完全な暗闇の場合は、さすがの猫でも何も見えません。ほんの少しの光があれば「タペタム」に反射し、その能力を発揮しますが、真っ暗闇で光が得られないとタペタムは機能しません。
猫の目の色は何色?
猫の目の色は、生後2か月ぐらいまでは「キトンブルー」という、やや青みのある灰色をしています。その後成長すると、その色はグリーン、ヘーゼル、アンバー(琥珀色)、カッパーという4色に分類されます。稀に「オッドアイ」という左右の目の色が違う猫もいます。
キトンブルーやオッドアイに関しては、下記リンクをご参照ください。
猫に好かれる色はある?
猫が好きな色ですが、RGBのR=赤色が認識できない分、残りの2色(緑と青)は好むようです。黄色も大丈夫です。そして意外なことに、赤系などの蛍光色に興味を持つといわれています。
赤色は見えないけど、赤系の蛍光色を見ると活発になり、自律神経を刺激したり、食欲や空腹感を増進させたりする、という説もあるとかないとか。確かに、売られている猫のおもちゃを見ると、割と派手な色合いの物が多い気がします。蛍光色も売られていますね。