【獣医師監修】猫ニキビができる原因は?治療法・予防方法を紹介!
飼い猫の顎下にできる黒いブツブツを見つけたことはありますか?もしかしたらそれはただの汚れではなく「猫ニキビ」かもしれません。愛猫の体にできる猫ニキビに対して、飼い主さんがどう対処してあげればいいのかぜひ知っておきましょう。
最終更新日2020.05.06
毛づくろいが減った
猫はとてもきれい好きな動物で、人がシャンプーをしてあげなくても、自分で舐めて整えることで体を清潔に保っています。
しかし、高齢になって関節炎により体を動かすのが億劫になったり、歯周病による口の痛みで毛づくろいをしなくなると、洗顔動作もしなくなります。
歯周病が重症化するとよだれが垂れてしまい口の周りについたりするので、よけいに口周りに予後絵が付着しやすくなります。
ただでさえ猫本人には手入れしにくい顎の下がさらに整えづらくなるため、「毛づくろいが減ったな」と思ったら口周りをいつもより気にするようにしてあげましょう。
ごはんが体に合っていない
体に合わないごはんを食べ続けたり、おやつや飼い主さんからのおこぼれが多いといった栄養バランスが崩れた食生活をしていると、皮脂の分泌が過剰になることがあります。
皮脂の分泌が過剰になると、べたつきが増え、それだけ毛穴詰まりも多くなってしまい、猫ニキビの原因になると考えられています。
- 長期間保存して酸化したごはん(何度も空気に触れたもの)
- あまりに価格が安いごはん
- 塩分や脂肪分が多いおやつ・おこぼれ
食事や飲水で口元が汚れやすい
口周りが汚れて不衛生になることが多いのは、やはり食事の後です。
- 老猫で食べ方がぎこちなくなった
- ウェットフードを食べるのが下手で口周りにつくことが多い
また、これも老猫で多いのですが、飲水動作がぎこちないせいで、口をお水の器の中へボチャッと広範囲につけてしまい、顎下が濡れたまま過ごしている子もいます。
歯周病の時のよだれも含め、口周りに湿気が残っていると雑菌が繁殖しやすくなり、不衛生な環境になりがちです。
ストレスの増加やホルモンバランスの変化
人と同じように、猫たちもストレスがかかることで免疫力が下がってしまいます。
- 引っ越しや新しい同居猫などの環境変化
- 飼い主さんとのコミュニケーション量の増減
- 急なフード変更や投薬などの体に直接与える変化
免疫力が下がると細菌などに対して闘う力が弱まってしまうので、猫ニキビが発生しやすくなったり、二次感染が起きやすくなる場合があります。
アレルギーによる皮膚の炎症
食材や器の素材に対して猫の体が過剰に反応してしまう食物・接触性アレルギーを持っている場合、口元や口腔の痒みや違和感で掻いてしまうことがあります。
その際皮膚に傷がつくと皮膚バリアが壊れてしまい、感染も起こりやすくなります。
不衛生な環境で暮らす
洗濯したり交換することなく使い続けている毛布や、食器を洗わないまま連続で使っていると、その分雑菌の繁殖率は高まっていきます。
また、傷がたくさん入ったプラスチックの器はバクテリアが繁殖しやすいと言われるており、キレイにしているつもりでも猫ニキビの原因になっていることがあります。
梅雨や夏場は特に菌の繁殖率も高まるため、水やごはんの器には特に注意を払わなければいけません。
猫の体が毎日触れるものは、汚れや臭いがないかをきちんとチェックしましょう。
ニキビダニの繁殖
ニキビダニ(毛包虫/アカラス)はどの猫の皮膚にいても普通で、基本的には共存しているものです。
ところが、猫の免疫力が落ちた時などにニキビダニが悪さをし、その名の通り毛穴に炎症が起こり赤みが出たり、ブツブツとした発疹や脱毛などがみられます。
ただし、犬ではよくあるこのニキビダニ症も猫ではまれなので、検査でニキビダニの増殖が除外できれば、猫の口周りや住んでいる環境の衛生面を見直してあげる方が大切です。