【獣医師監修】猫ニキビができる原因は?治療法・予防方法を紹介!
飼い猫の顎下にできる黒いブツブツを見つけたことはありますか?もしかしたらそれはただの汚れではなく「猫ニキビ」かもしれません。愛猫の体にできる猫ニキビに対して、飼い主さんがどう対処してあげればいいのかぜひ知っておきましょう。
最終更新日2020.05.06
猫ニキビとは?
猫ニキビは、別名「猫アクネ」「顎ニキビ」「コメド」とも呼ばれる吹き出物のようなものです。
猫ニキビ自体も通称で、医療用語としては「ざ瘡(ざそう)」という診断名がつけられます。
ニキビという名前で呼ばれるため、若い猫特有のもの?と思われがちですが、どの年齢の猫の皮膚にもわりと頻繁に発症します。
いったい猫ニキビとは何なのか、どこを見れば発見しやすいのか、原因や治療の必要性も含めてこれからお話していきます。
猫ニキビができやすい場所
猫ニキビは顎ニキビとも言われるほど、そのほとんどが顎の下にできます。
顎の下は皮脂腺が集まり脂っぽくなりがちで、毛穴汚れや詰まりが起きやすく、食事の後の毛づくろいも届きにくい部分です。
顎の下のほかには、
- 上下の口唇
- 口角
- まれに顔や耳
しかし、放置すると中には重症化してしまうことがあり、発症数の多さから言っても重症化する場所はほぼ顎の下です。
猫ニキビの症状
猫ニキビは必ずしもすぐの治療が必要な状態になるとは限らない皮膚の症状です。
しかし、重症化してから治療をするよりは、早めに猫ニキビの存在に気づいてケアができるに越したことはありません。
猫ニキビに早く気づいてあげるためには、初めにどんな症状が現れるのかを知っておくと、後々の早めの対策を練ることにつながります。
お家の猫ちゃんの顎の下に以下のような症状がないか、ぜひ確認してみましょう!
軽度
猫ニキビの初期では、顎の下に茶色や黒色の細かなブツブツが確認できます。
小さなゴミがついているようにも見えるほどで、猫本人が気にするような痒みや不快感がほとんどないため、飼い主さんも「拭けばとれるかな?」と思う程度です。
特に治療が必ず必要という状態ではなく、いつのまにか自然と治ってしまうこともあります。
重度
黒いブツブツだけだった猫ニキビが細菌やカビによる二次感染を起こすと、皮膚の炎症が引き起こされます。
皮膚に炎症が起きると、
- 脱毛
- 皮膚の赤み
- 猫ニキビの繰り返しで触るとできもののようなでこぼこ感がある
- 痒み
- 足で掻くことによる出血
こちらの動物病院ブログで重症化した猫ニキビの画像が確認できます
あおぞら動物病院「猫のアクネ・痊瘡(ざそう)~あごの下が黒い~」
炎症が起きている状態が長く続くと、猫が気にして皮膚を掻き壊してしまい、治るまでに時間がかかったり、皮膚の細菌感染が持続的に続いてしまう事態になってしまいます。
あまりに酷い炎症や感染の場合、顎の下が赤いだけでなく、膿んでかなり腫れる場合もあるため、顎のできものや腫瘍と勘違いしてしまうこともあります。
そこまで酷い状態になる前に、きちんと治療を行ってあげましょう。
移ることはある?
猫ニキビができることで気になるのは、「猫同士でうつるかどうか」というところですよね。
特に多頭飼育の場合、仲良しの子同士でくっついて過ごすこともあるからです。
初期の症状のみで感染が起こっていない場合は、猫同士の接触があっても気にしなくて大丈夫です。
しかし、猫ニキビが二次感染によって重症化している場合、お互いをグルーミングした時に細菌などをうつし合うリスクはあります。
また、治りかけの皮膚を別の猫が舐めてしまうと、口の中の細菌が患部の皮膚にうつってしまい、治りが遅くなる可能性もあります。
そのため、猫ニキビが重症化している子がいる時は、治るまで隔離することも考えておきましょう。
猫ニキビの原因
猫ニキビの多くは毛穴汚れが原因です。
他にも、猫自身の生理的な皮脂の分泌以外に、口元が不衛生になりやすい環境を作ってしまうことで猫ニキビは発生しやすくなります。