ホウネンエビってどういう生き物?飼育や繁殖方法をご紹介!
ホウネンエビについてどういう生き物なのか飼育や繁殖の方法をご紹介していきます。ホウネンエビの大きさ・生息地・生態や飼育や繁殖方法を知りホウネンエビへの理解を深めましょう。
最終更新日2020.05.06
ホウネンエビってどういう生き物?
初夏、水の張られた田んぼに行くと、いろいろな生き物を見つけることができます。メダカか小魚かな、と見過ごされることも多いのですが、よく見ると非常に多くの生き物を見ることができます。
ホウネンエビも、そんな田んぼの生き物のひとつです。
また、最近では夏休みの自由研究用などにホウネンエビの飼育観察キットが売られています。今回は、そんな不思議な生き物、ホウネンエビについて、生態や寿命、飼い方をご紹介します。
不思議な生態
繁殖など、ホウネンエビの生態はとても変わっています。ホウネンエビの卵は休眠卵と呼ばれ、乾燥と低温に耐えるようにできています。田んぼに水が入らない間、この休眠卵の状態で土の中で眠っているのです。
春から初夏にかけて田んぼに水が入ると、休眠卵からふ化し、約1か月で急成長を遂げます。成熟して産卵すると、親個体は死んでしまいますが、その頃には田んぼの水も引く時期になっています。そうして水の引いた田んぼの土で、再び休眠卵として、田んぼに水が入るのを待つのです。
名前の由来
ホウネンエビの名前は、漢字で書くと「豊年蝦」です。
稲が育つ時期に一斉に成長するのですが、その年によって発生数が変わることがあります。その様子から、ホウネンエビが大量発生した年は豊作になる、という伝承が生まれ、豊年蝦という名前につながったのです。
ちなみに、エビという名前はついていますが、厳密にはエビの仲間ではありません。無甲目と呼ばれるグループに属する、別の生き物です。
生息地
日本全国に分布しています。
しかし、年間を通していつでも見られる生き物ではないため、詳しいことはよくわかっていないのが現状です。その年によって発生する数も違います。
自分で陸上を歩いて移動したり、泳いで移動したりできないので、隣り合った田んぼでもいたりいなかったりします。その特殊な生態から、日本では田んぼ以外の場所でホウネンエビが見られることはほとんどありません。
大きさ
成熟すると、1.5~2センチほどになります。
休眠卵からふ化した幼体は1ミリにも満たない大きさですが、脱皮を繰り返して急成長を遂げます。成長段階によって大きさの他に形も変わるので、この成長過程を観察するのはとても楽しいものです。
寿命
ふ化してからわずか1か月ほどで急成長し、成熟します。成熟するとすぐに産卵し、数週間ほどで死んでしまいます。
ふ化してから産卵して死ぬまで、1か月半ほどの寿命の生き物ということになります。これだけ聞くと、とても寿命の短い生き物のように思いますが、季節によって水が抜けてしまう田んぼの環境に適応した結果、とも言えますね。
販売されている価格の相場
生きたホウネンエビが水槽に入れられて売られていることはまずありません。ホウネンエビを購入する場合、乾燥した休眠卵の状態で購入することになります。多くの場合、栄養を含んだ粉末とホウネンエビの休眠卵が入った泥のセットや、それに飼育容器がセットになったものが売られています。
いくつかのメーカーから出ていますが、だいたい500円~1,000円くらいが相場です。
ホウネンエビの飼育
飼育キットを買う場合
店頭やネット通販でホウネンエビの飼育キットを購入した場合、そのキットに飼い方が記載されています。基本はそこに書いてある通りしましょう。
ここでは、だいたいどのキットでも共通している飼い方を解説します。