コアラの睡眠時間が長い理由は?1日どのくらい寝るの?

コアラの睡眠時間が長い理由は?1日どのくらい寝るの?

可愛いルックスや何ともいえない姿・形で大人気のコアラですが、皆さんはコアラの睡眠時間についてご存知ですか?実は、コアラの睡眠時間は長いのです。今回は、コアラの睡眠時間がなぜ長いのか、その理由と、コアラの1日の睡眠時間についてご紹介します。

ポット
ライター

ポット

2015年9月生まれのきょうだいハチワレと共に暮らしています。この子たちの存在は何よりの活力です。そのパワーがあふれ出し、2017年12月に「愛玩動物飼養管理士2級」を取得。猫だけじゃなく、愛玩動物といわれペットについて少しでもお役に立てればと思っています。

記事の目次

  1. 1.コアラの睡眠時間
  2. 2.コアラの睡眠時間が長い理由
  3. 3.コアラの睡眠時間が長い理由 まとめ

コアラの睡眠時間

Photo bycraig_watson

日本語の別名でコモリグマ(子守熊)またはフクログマ(袋熊)と呼ばれるコアラは、オーストラリア東部の森林地帯や、ユーカリの林などに生息している哺乳綱双前歯目コアラ科コアラ属に分類される有袋類です。コアラと言えばオーストラリアのイメージとともに、ユーカリの葉をよく食べているイメージもありますよね。

その可愛らしいルックスで、マスコットやキャラクターなどにもなるほどの人気を集めるコアラですが、実はコアラの睡眠時間は1日22時間という長時間であり、地球上で睡眠時間が最も長い動物だといわれています。なぜ、コアラの睡眠時間は長いのでしょうか?

次項でその理由についてお伝えします。

コアラの睡眠時間が長い理由

Photo byAngelo_Giordano

コアラの生態は謎が多く、実は睡眠時間が長い理由ははっきりとは分かっていないようですが、コアラの主食であるユーカリが関係しているという説があります。

ユーカリの葉には、青酸カリ系の毒素が含まれていて、コアラ以外でユーカリの葉を食べる動物は存在しません。なぜ、コアラがそんな危険な植物を食べることができるかというと、それはコアラの盲腸が持つ特性があるからです。2メートルにも達するコアラの盲腸には、毒素を分解する酵素が存在し、そのため、コアラは毒素を含むユーカリの葉を食べることができるのです。

Photo byLauraLisLT

ユーカリの葉

しかし、いくら解毒できるからといっても、そのためにはエネルギーが必要です。消費したエネルギーを補うため、コアラは長時間に渡って眠り続ける、というのがこの説の仕組みです。また、ユーカリの葉には消化の悪い油分やタンニンが多く含まれているため、その消化吸収のためにはやはりエネルギーが必要になってきます。その割に、ユーカリの葉には栄養分がほとんどないため、少ない栄養分で解毒させるには相当のエネルギーを使うことになります。

消費したエネルギーを補うだけじゃなく、これ以上無駄なエネルギーを消費しないように、木の上でジッとするか、ずっと寝るか、というのが理由の1つです。さらに、ユーカリの葉を咀嚼するとエタノールが発生し、そのエタノールが神経を麻痺させ、眠気を誘発する、という説もあります。

進化の上でユーカリを食べるようになったとはいえ、体に負担をかけながらもコアラがユーカリの葉を食べているのは、生き延びるためには必要だったからです。コアラは夜行性の大人しい動物であり、大型の猛禽類のほかに、野生化したイヌやキツネにも狙われてしまいます。そんなコアラでも、安全に食べることができるものが、ユーカリの葉以外にありませんでした。

その結果、毒性の強いユーカリの葉を食べられる機能を進化させ、消費したエネルギーを補うために、コアラの睡眠時間が長くなりました。

ストレスも起因?

ストレスが原因の可能性もあります。コアラは、ストレスにとても弱く、ストレス耐性が低い動物です。動物園や観光地などでよくみられる「抱っこ」や「記念撮影」などは、コアラにとってはストレスのようです。

特に人間に抱っこされることで、コアラの寿命が短くなる、という研究結果も出ていて、実際にオーストラリアではコアラの抱っこを禁止している州もあるなど、コアラのストレスと睡眠時間の長さには関係があるといわれています。

コアラの睡眠時間はナマケモノよりも以上?

フリー写真素材ぱくたそ

こちらがナマケモノ

名前の通り、怠け者のイメージが強すぎるナマケモノですが、ナマケモノの睡眠時間は1日20時間といわれていて、コアラの22時間の方が多いことになります。コアラが「地球上で睡眠時間が最も長い動物」といわれているのも納得ですね。

コアラの祖先

コアラの祖先は、今からおよそ200万年前~5万年前にオーストラリアで生息していた「ディプロトドン」という生物で、肩高約2m・頭胴長約3.3m・体重2.8トンの巨大生物であり、太古に生息していた中では史上最大の有袋類とされています。

このディプロトドンの中で、弱くて生存競争に敗れたものが木に登るようになり、それがコアラに進化しました。逆に強くて地上に残ったものは、ウォンバットに進化しました。ということで、コアラとウォンバットの祖先は同じディプロトドンということになります。

Photo byLuvCoffee

ウォンバット

コアラはもともと地上にいて、食べる物も違いました。

しかし生存競争に敗れ、木に登り、順応するためにコアラに進化しました。そして木の上でも安心して食べられるユーカリを食するようになり、ユーカリに対する体内耐性を持つとともに、その代償として長い眠りを必要とするようになりました。

コアラの睡眠時間が長い理由 まとめ

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