【獣医師監修】犬がバナナを食べるのは大丈夫?避けたほうが良い犬とは?
バナナは人間にとっては健康によい食べ物ですが、犬にとっては害を及ぼす食べ物ではないのか気になりますね。また、バナナの皮を食べてしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。そして、バナナを食べさせない方がよい犬とはどういう犬なのかを詳しくご紹介していきます。
最終更新日2020.05.06
犬は、飼い主が食べているものを、おねだりしてくることがよくありますよね。しつけをしていても、犬はどうしてもほしくて、あごを膝に乗せてきたり、手で飼い主の腕をポンポンしてきたり、すごくアピールしてきます。その仕草も可愛くて、つい一口だけ与えてしまうことがありますね。
もちろん、ネギ類やチョコレート、鶏の骨などは犬には厳禁ですが、フルーツの「バナナ」はどうなのでしょうか?人間にとっては健康によい食べ物なので、犬にバナナを与えてもよいのかどうか、とても気になるところです。
それでは、バナナを犬に与えてもよいのか?与えるときのポイントと与えてはいけない犬とはどんな犬なのか?に加えて、バナナの皮を食べてしまったときの対処法をご紹介していきます。
犬がバナナを食べるのは大丈夫?
結論からお伝えしますと犬にバナナを与えても、基本的には特に害はありません。
ときどきご褒美やおやつとして与えるには、他の人間の食べ物より栄養面にも優れ、健康効果も期待できます。味も甘みがあって、犬も喜んで食べるでしょう。
期待できるバナナの健康効果
人間と犬とでは、多少異なる部分もありますが、バナナには健康効果が期待できる栄養素が多く含まれています。
ビタミンB類やビタミンC、カリウムやマグネシウムなど、体を健康に保つための栄養素が豊富です。また、繊維質も多いので、便秘の予防にもなります。腸が活性化すると免疫力アップにもつながります。
バナナには、果糖とブドウ糖も含まれており、フリスビードッグやアジリティトレーニングをしている犬などには、トレーニング前に食べさせるとエネルギー源となり、長時間元気な状態が続くようです。
さらに、バナナは体を冷やす効果があるので、夏であれば熱中症予防にも効果を発揮します。
バナナを避けたほうが良い犬とは?
バナナは栄養豊富なフルーツですが、食べすぎは禁物です。健康状態によって食べないほうがよいこともあります。バナナを避けたほうがよいのはどのような場合でしょうか。具体的にみていきましょう。
心臓が悪い犬
カリウムは心臓のなどの筋肉や神経の働きに必要な電解質ですが、血液中に多く含まれすぎると不整脈の原因になってしまいます。症状が思うくなると心ほぅさから亡くなる可能性が高くなってしまいます。
また、血液中のカリウム濃度が高い高カリウム血症になると心臓だけでなく全身の筋肉にも影響が起こり、立てなくなってしまうこともあります。カリウムはバナナに豊富に含まれています。心臓病と診断を受けた場合はあげないようにしましょう。
腎臓が悪い犬
血液中のカリウムは主に尿に混じって排泄されます。腎臓が正常に働いているときには、必要なカリウムは体内に戻され、不必要なカリウムは尿に混じり排泄されます。
しかし、腎機能に異常がある場合は、カリウムの排泄がうまくいかず体内にカリウムが多く残るようになってしまいます。腎不全がある場合はカリウムを多く含むバナナは避けましょう。
結石ができたことがある犬
バナナにはシュウ酸が含まれています。シュウ酸はシュウ酸カルシウム結晶の成分の一つです。このような結晶や結石は食べ物に含まれるシュウ酸が多すぎることが原因になりますが、体質や飲水量なども原因になり個人差があります。同じ家で同じ環境で生活していても、結石ができる犬とできない犬がいます。
しかし、この結石は処方食などでも溶かすことができませんので、できないように予防するに越したことはありません。結石ができたことがある犬はバナナを食べないようにしましょう。結石ができたことがない犬もバナナの食べすぎには注意しましょう。
バナナに対してアレルギーのある犬
バナナに対してアレルギーを持っている犬には少量でもあげてはいけません。バナナアレルギーの症状として多いのは、
- 下痢や嘔吐
- 皮膚の痒み
バナナに対してアレルギーを持つ犬は、スイカやメロンなどに対してもアレルギーを持つ場合が多いので注意が必要です。
犬にバナナを与える際のポイント
アレルギーなどに気をつければ、バナナが犬にとって害がなく食べても大丈夫なものだということですが、与える量、与え方、子犬には与えてもよいのか?など気になることもありますね。
バナナは犬も食べてもいいものではありますが、気をつけるべきこともいくつかあるようです。
それでは、項目ごとにご紹介していきましょう。