【画像あり】カモノハシとはどんな動物?哺乳類なのか?カモノハシの謎に迫る
皆さんはカモノハシをご存知ですか?なんとなく名前は聞いたことはあっても、その実物や生態について詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなカモノハシについてご紹介し、カモノハシのさまざまな謎に迫ります。
最終更新日2020.05.06
カモノハシの特徴は、なんといってもそのくちばしです。数ある哺乳類の中でも、くちばしを持っているのはカモノハシくらいです。そのくちばしは、名前の通りカモのように幅が広く、ゴムのような弾性があります。また、このくちばしには鋭敏な神経が通っていて、獲物の生体電流を感知する機能があります。
また、カモノハシには歯がありません。そのことについては長らく謎とされていましたが、三重大学などの共同研究チームの調査により、くちばしの向きや電気感覚を脳に伝える三叉神経が発達したため、歯の生える空間が奪われ、歯の消滅につながったと考えられています。
外見的特徴ナンバーワンといっても過言ではないこのくちばしは、東海道新幹線「700系」の先頭部分に例えられるほどで、主に「こだま号」の車両として使用されています。空気抵抗を軽減するために採用されたデザインで、実際「カモノハシ」の愛称でとても人気のある車両です。しかし、2020年3月を最後に引退することが決まっています。
毒性
さきほども少しふれましたが、カモノハシは毒を持っています。後足の根元のところに、1.5cmくらいの蹴爪があり、ここからヘビの牙のように毒を出します。毒の強さは、猟犬を倒すほどの強いものです。ただし、毒を出すのはオスだけです。生後すぐのころはメスも毒を持っているが、成長とともになくなるそうです。
ちなみに、くちばしのある哺乳類はカモノハシだけとお伝えしましたが、毒を持つ哺乳類もカモノハシだけです。
卵生
これもカモノハシの特徴ですが、カモノハシの出産は卵を産む「卵生」です。通常、哺乳類はお腹で育て、胎児の状態で出産する「胎生」です。卵は、交尾の約1か月後に、粘着性あるブヨブヨした状態で2個(稀に1個か3個)を産卵します。
なお、卵生の哺乳類はカモノハシだけでなく、ハリモグラも同じです。このハリモグラはカモノハシの仲間で、「モグラ」と名前がついていても、モグラではありません。ハリネズミとも違い、カモノハシと同じように「珍獣」といわれています。
単孔類
カモノハシは、「脊椎動物亜門 哺乳綱 単孔目 単孔類」に分類される動物であり、この単孔類に現存するのは、カモノハシ科と先ほどのハリモグラ科のみです。両科を合わせてもわずか3属5種しかいませんが、オーストラリア・タスマニア・ニューギニアのみで広く分布しています。ちなみに「単孔」とは、生殖管の下部と直腸の結合により、総排泄孔が形成されていることで、哺乳類であるにもかかわらず卵生であり、消化管、排尿管、輸卵(精)管が同時に開口する動物の総称です。
単孔目は、進化史の中で非常に早い時期(おそらく三畳紀)に、他の全ての哺乳類のグループと分岐したと考えられ、現生哺乳類で最も原始的なグループとされています。
寿命
カモノハシの寿命は平均10年~15年で、最大で21年ほどだそうです。
カモノハシの性格
カモノハシはオーストラリアにしか生息していないため、人とのかかわりがあまり知られていません。
でもこちらの動画を見ると、動物園の飼育員の手から餌付けされていたり、じゃれているのがわかります。詳しい性格はまだわかっていませんが、もしかしたら人に懐くことはできるのかもしれませんね。鳴き声といい、なかなかかわいいですね。
カモノハシは日本の動物園にいる?
現時点では、カモノハシが日本国内の動物園で飼育された事例はありません。
過去に、東京都で開催される予定だった「世界都市博覧会」で展示の誘致があったようですが、都市博自体も中止になり、そもそもオーストラリア政府の許可も得られませんでした。ですので、今後もしばらくは日本でカモノハシを見ることは難しいと思われます。
直接見たい場合は、オーストラリアビクトリア州にある「ヒールズビル自然保護区」、もしくはクイーンズランド州にある「ローンパインコアラ保護区」などで、飼育されているカモノハシを見に行くか、動画のように、シドニー水族館でも見ることができます。
カモノハシ まとめ
今回は、カモノハシの生態や、多くの謎についてご紹介しました。知れば知るほどどんどん謎が深まる、本当に興味深い動物ですね。さらに見に行きたくてもなかなか行けない場所にいるため、その思いは募るばかりです。
哺乳類としては、あまりにも独特すぎる生態のカモノハシは、今後もますます研究が進んでいくのではないでしょうか。さらなる発見が楽しみですね。
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引退が決まっているカモノハシ「700系」。ちょっと残念ですね。