アロワナの飼い方・注意点と飼育設備にかかる費用をご紹介!
美しく堂々とした姿から人々を引きつけてやまない熱帯魚、アロワナ。お金持ちが飼っている、飼い方が難しそうというイメージがありますが、飼ってみたいと言う方も多いのではないでしょうか。今回はアロワナの飼い方や必要となる設備のこと、飼育の注意点を解説していきます。
最終更新日2020.05.06
アロワナの飼い方・注意点
アロワナは愛好家が非常に多く、飼い方が確立している熱帯魚です。きちんと飼い方のポイントを押さえれば飼うこと自体は難しくありません。
早速どんなポイントがあるのか見ていきましょう。
飼い方ポイント①:餌
アロワナの餌は人工飼料と生き餌です。
アロワナは肉食の魚であり、野生では小魚や昆虫を食べて暮らしています。ペットとして飼育する場合はどの種類でも人工飼料を中心とし、おやつとして生きた小魚や昆虫を与えるようにすることをおすすめします。
注意点:アロワナは偏食傾向が強いため、生き餌ばかり与えていると人工飼料飼料を食べなくなります。基本的には人工飼料をメインで与えるようにしましょう。
人工飼料と生き餌それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
人工飼料
大型魚用の人工飼料は様々な種類がありますが、おすすめは大型肉食魚専用飼料・ひかりクレストカーニバルです。栄養バランスに優れていて、色揚げ効果も期待できます。
メリット
- 乾燥しているため保管、管理が簡単
- 餌代を大幅に節約することができる
デメリット
- 生き餌と比べると食いつきが悪い
- 食事シーンの迫力に欠ける
生き餌
アロワナは人工飼料よりも生き餌を好みます。
生き餌を食べる様子を見ることは大型魚を飼う醍醐味の1つといっても過言でありませんが、そこには多くのメリットとデメリットがあります。
メリット
- 生き餌を食べる様子が迫力満点
- 非常に食いつきが良い
- 水を汚しにくい
デメリット
- 生き餌の管理が大変
- 人工飼料より餌代がかかる
- 生き餌から病気に感染することがある
与えられる生き餌の一例
- ミルワーム
- コオロギ
- メダカ
- アカヒレ
- ドジョウ
- カエル など
飼い方ポイント②:水温
アロワナに適する水温は24~30℃です。28℃前後を保った方が良いと言われています。
注意点:アロワナは熱帯魚であるため、夏場以外はヒーターを入れて水温を保つように心がけましょう。極端に水温が低い・高い状態はアロワナの寿命を縮めてしまいます。
飼い方ポイント③:水質
アロワナは淡水魚であり、適する水質は中性~弱酸性です。基本的にはpH7(中性)が望ましいですが、pH6.5程度が良いという意見もあります。
注意点:水槽の水は餌や糞の影響で少しずつ酸性側に傾いて行きます。酸性になりすぎると餌の食いが悪くなり、アロワナの体調に影響を及ぼします。適正に水質管理を行うために必ずpH測定器を使用し、定期的に水質を確認するようにしましょう。
飼い方ポイント④:病気
アロワナは非常に寿命が長く、丈夫な熱帯魚ではありますが、生き物である以上病気になったり怪我をすることもあります。
ごく一部ではありますが、アロワナがかかりやすい病気の例とその対処法について説明します。
白点病
白点病は熱帯魚だけではなく、金魚などもかかる非常にメジャーな病気です。
魚の体やヒレに小さな白い点ができてしまい、病気が進行すると体中が真っ白になって死んでしまいます。体に白い点ができ、かゆがって体をあちこちにこすりつけるような仕草が見られる場合は白点病の疑いがあります。
この病気の原因となる寄生虫は水温が低いと活発に活動することから、冬場は特に水温管理に注意しましょう。
対処方法
- 水温を28℃以上に上げる
- メチレンブルー、マラカイトグリーンなどで薬浴をする
- 0.5%程度の塩水浴をする
運動性エロモナス症
エロモナス菌と呼ばれる菌が魚の体内に侵入することによって起こる病気です。
代表的なものには松かさ病(立鱗病)、穴あき病があります。
初期症状としては魚体の一部が血がにじんだような見た目になり、病気が進行するとその範囲が広がっていきます。腹部や肛門も腫れることがあり、やがて衰弱して死んでしまいます。
対処方法
- 観パラD、グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースなどで薬浴する
- 水温を25℃以上に上げる
- 魚体に穴が開いてしまっている場合は0.3~0.5%程度の塩水浴をする
尾ぐされ病
カラムナリス菌が原因となる、非常メジャーな病気です。
初期症状としてはヒレの先や縁が白濁し、時にはその周辺が充血します。病気が進行すると白濁がヒレの根元の方に進行してボロボロになり、扇を裂いたような見た目になって衰弱死してしまいます。
対処方法
- 水槽の水替えをする(半分程度)
- 観パラD、グリーンFゴールド、エルバージュエースなどで薬浴をする
- 0.3~0.5%程度の塩水浴をする
アロワナの飼育設備にかかる費用
ここまでアロワナの飼い方やその注意点をまとめてきましたが、実際に必要な設備とその費用を見ていきましょう。
設備①:水槽
費用:3~10万以上
アロワナは非常に大きくなるため、そのサイズに見合った大きさの水槽が必要となります。水槽は大きさや材質の種類によって、値段に大きな差があります。
生活環境が狭すぎるとエラがめくれてしまったり、ウロコが小さくなってしまったりとアロワナの美しさが損なわれてしまう原因になります。アロワナの成長に合わせて水槽のサイズを大きくしてあげると良いでしょう。
注意点:アロワナは水槽から飛び出し、死亡してしまうことがあります。水槽は必ずふたがあるものを選ぶか、あるいは自作してください。
成長期の水槽
成長期にあるアロワナの水槽は、体長の3倍以上の大きさがある水槽を使うと良いでしょう。15cm未満の小さな個体の場合は60cm水槽、20~25cmの場合は90cm水槽といった具合です。
水槽を買い直すこと、設置し直すことが大変な場合は最初から大きな水槽を用意し、セパレーターなどを使って水槽を仕切って使うのも一つの手です。
成魚の水槽
最終的には最低でも150cm水槽を使用するようにしましょう。横幅が150cm以上、高さは45cm以上、奥行きは70cm以上の水槽が理想です。
注意点:シルバーアロワナは体長が1m程度になりますので、さらに大きな水槽を用意したほうが望ましいです。
設備②:ヒーター
費用:3,000~6,000円程度
アロワナの飼育にはヒーターが欠かせません。
水槽が大きいため、ヒーターも300Wなどのワット数が大きいものを使うことになります。コンセントに繋ぐだけで水温を一定に保ってくれるオートヒーターが手軽ですが、水槽が大きい場合はヒーターとサーモスタットが別になっているものを使ったほうが水温管理の手間が少なくなります。
注意点:ヒーターやサーモスタットにも寿命があります。ヒーターの寿命は基本的に1年とされている、消耗品であることを忘れないようにしましょう。また冬場や夜間にヒーターが故障して急激に水温が下がるとアロワナの体に大きなダメージを与えてしまうため、ヒーターは2本入れておくことをおすすめします。
寿工芸 セーフティヒートセット 300W
参考価格: 6,912円
設備③:ろ過器(フィルター)
費用:1~2万円
アロワナは体が大きい分餌を良く食べ、良く糞をします。水が汚れやすいため大きめのろ過器を設置する方が多いです。
設備④:水槽用ライト
費用:2~3万円程度
水槽用ライトはアロワナを美しく見せるすためだけではなく、色揚げのために必要なものになります。
注意点:ライトを点けている時間が長ければ長いほどアロワナの色が濃くなります。その分ストレスがかかり餌の食いが落ちる・病気になりやすくなる・寿命が短くなるなどの弊害が出るとも言われていますが、色にこだわり24時間ライトを点ける方も少なくないようです。
(デンライ)DENRAI Rシリーズ アロワナ用 水中LEDライト レッド (143cm/150cm水槽用)
参考価格: 25,900円
設備⑤:水温計
費用:500~2,000円程度
アロワナに限らず、どんな種類の熱帯魚にも水温計は必須のアイテムです。水温の変化はそのまま魚体の健康状態に影響する、ということを忘れてはいけません。
設備⑥:pH測定器
費用:1,000~1万円程度
アロワナはpHの影響で餌の食いが落ちることがあります。水質管理のため、pH測定器があると便利です。
pH測定器は手動のもの、自動のものなど様々な種類があります。値段や使用する頻度によって自分に合ったものを選びましょう。
アロワナ飼育に必要な費用のまとめ
それでは、かかる費用の合計金額を出してみましょう。
- 水槽:3~10万以上
- ヒーター:3,000~6,000円
- ろ過器:1~2万円
- 水槽用ライト:2~3万円
- 水温計:500~2,000円
- pH測定器:1,000~1万円
アロワナは非常に寿命が長く、10年以上生きることも多い生き物です。アロワナを飼うときは10年先までこれらの費用を工面できるかどうか、しっかりと考える必要があります。
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アロワナの飼い方について見ていきましょう。